ブラックSE、株分析でホワイトを目指す

大手SIer勤務が現状のブラック勤務環境を脱するために株分析を始めるブログ

大手SIer勤めの火消し体験①

 

皆さんはSIerがどういう仕事をしているか、イメージが付くでしょうか? 

下記記事を読んだ時に開発者目線が分かりやすく書いているな、と

思ったので、肩書PM、SIer目線で

自身が経験した火消し対応を振り返ってみたいと思います。

 

note.com

 

 

プロジェクト概要

  • 予算は数十億レベルのビッグプロジェクト
  • 要件定義~本番移行作業まで一貫して顧客より委託
  • インフラ(サーバ構築)~ミドル~アプリの全レイヤで作業あり
  • チームとしてはざっくりわけると5チーム
  1. インフラ部隊(サーバ構築)
  2. ミドル部隊(ジョブ屋さんやwebサーバ系ミドル屋)
  3. ERP構築部隊
  4. アプリ部隊(パッケージの周辺周り)
  5. 運用/移行部隊 

 

3のERP構築部隊にPM(プロジェクトマネージャー)が一人、

それ以外1,2,4,5の混合部隊にPMが1人いる、

マルチベンダー(複数の会社が混じったチーム)のプロジェクトです。

私は1.インフラ部隊のチームリーダでした。

 

炎上した状況

ウォーターフォール型のプロジェクト(設計→製造→テスト)で、

テスト工程にて、ERPが稼働しないトラブル発生。

 

アプリもERPがメインなので、単体テストレベルまでしか実施できず、

性能テストや運用テスト、信頼性テスト、諸々が遅延が発生。

 

納期と共にテストができないため作業が進まないまま溶けていく人件費。

大規模プロジェクトのため参画要員数が多いことも損失を急拡大させ、

見事炎上、損失規模はすぐに億レベルになりました。

 

火消し対応

損失の急拡大を受け、下記対応策が実施されました。

  • 事態改善のための応援の人員を投入
  • ERP側への品質向上活動の実施
  • ERPも含めた統合PMの擁立(ERP以外の混合部隊のPMが昇格)

会社としては早急な止血処理をしないと資金枯渇する事態に対して

社内の品質保証部門や他プロジェクトの余剰人員などを投入。

いわゆるクラッシングと言われる方法を実施しました。

 

その頃のPMは...

主に3つの対応に追われていました。

  1.  経理部門との交渉
  2. 顧客側との調整
  3. プロジェクトオーナーなど上位者への報告

順番に追っていきましょう。 

1. 経理部門との交渉

プロジェクト内の収支が凄い勢いで悪化し、

人員を追加投入したため、お金が全然足りません。

そして、大きな会社あるあるだとは思いますが、

コーポレート部門(経理、人事、総務...)の力って現場より強かったりするのです。

 

経理としては赤字のプロジェクトを止めたい、 

現場としては着地点を見つけるまではプロジェクトを続行したい...

 

えらい人を巻き込んで、プロジェクトの重要性や、

資金回収や損失限度など、経理部門に説明してキャッシュを獲得する交渉、

かなりの労力と時間を取られることになります...

2. 顧客側との調整

顧客側にもテスト工程があったものの停滞したり、

(このような場合、顧客からベンダーに賠償請求が来ることがある)

設計レビューなど顧客側にも責任がある場合があります。

(顧客側にも責任ある場合、逆にベンダーから顧客へ損失補填要求ができることがある)

 

そのため、損害賠償や今回の状況の着地地点について、

顧客と戦争....手が出ない程度の殴り合いが発生します。

 

3. プロジェクトオーナーなど上位者への報告

上記1,2はPMやその下のPL(プロジェクトリーダー)と進めていくことになるのですが、

決定事項を上位のプロジェクトオーナーに報告する必要があります。

 

これがまた、数億、数十億になると、

役員クラスもここぞとばかりに出張ってくるので報告するだけでも

大変な時間と労力が....

 

しがないチームリーダーはその頃...

インフラ部隊の1チームリーダだった私は、

最初、ERPが動かなかったため、テスト中断によってお仕事がなくなったものの、

元受けの正社員のため、PM補佐(PMO的な)として雑務に忙殺されることになります。

 

朝は各パートナーとの交渉(プロジェクト再開時期に伴う今後の見積もりなど)、

昼は受け入れた応援要員へのタスク振り分けと、刈取り、

夜は幹部への説明資料作成....

顧客先の近くのホテルに泊まりこんだまま、家に3か月ほど帰れませんでした。

 

反省点

今振り返ると...という話です。

  • ERP部隊の遅延を見ぬふりしていたけど、介入するべきだった
  • 応援要員を絞り込むべきだった 
  • 頑張りすぎると火消し部隊に組み込まれるため、適度にさぼるべきだった

 

そもそもの原因であるERPの非稼働についてが1点目です。

遅延など、兆候はあったものの、知らないふりしていたことです。

ただ...支援しましょうか?と言っても、断られる中、介入するのは無理だよな...

とも思います。

 

私的にはインパクトが大きかったのが2点目です。

炎上を沈下するために応援要員を会社は派遣してきたわけですが、

余剰人員を大量に出してきたため、スキルレベルが低く、

応援要員をフォローする手間がかなり大きかったことです。

具体的にはUNIXコマンドも使えない新人2年目が混じっていたり....

OJTの現場として活用されるとは思わなかった....

 

そして、今、絶賛苦しんでいる理由となっているが3点目。

この炎上プロジェクトの火消しに加わることにより、幹部に顔が覚えられ、

PMにも覚えめでたく(本当は良い意味なのだけど)、

危なそうな案件が出てきた時にはお呼びがかかるようになり、

 

ここに

ブラックSEが誕生

いや、笑えない....

 

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